Surface gauge 目安棒

目安棒は、アニメーション撮影時、パペットの移動量や変形度を測る
道具です。海外ではサーフィスゲージ surface gauge と呼ばれます。

国内最先端現場の目安棒は、基部および先端部にボール&ソケットジョイントを持ちます。基部のジョイントから伸びた指し棒はロッドアンテナ流用で、撮影状況によって伸縮します。指し棒終端の小ジョイントは、パペットを指す細針先端を、微小な角度で動かします。

海外のサーフィスゲージは、工作用の計測器具、トースカンがそのまま利用されるか、改造して使われます。
(サーフィスゲージという呼称自体、トースカンの英語名称がそのままスラング化したものです)
サーフィスゲージの指し棒は固定長で、指し棒全体をスライドさせて位置調整します。先端部は途中から曲がった針で、軸回転により微動させます。

どちらを使うかは好みの問題です。私自身は海外版の方が使いやすいと思いますが、国内では国内版が求められることが多いので、そちらも作れるようにしています。


MB-001

国内版目安棒の先端ジョイントを、海外版サーフィスゲージ風の曲がり針に変えてみました。ジョイント数が半減する分、制作コストは廉価になるのですが、国内版を常用するストップモーションアニメーター様に不評だったため、のちに先端ジョイントがついた指し棒(フルセット版)も制作しました。指し棒基部はもとより着脱式なので、容易に差し替えができます。
またMBシリーズのすべてにいえますが、ベース下面には1/4インチのネジ穴が切ってあります。カメラ三脚に載せるなど、変則的な使い方もできます。
写真は廉価版で、フルセット版の指し棒が下においてあります。


MB-002

一見、海外版のサーフィスゲージですが、指し棒は目安棒風のロッドアンテナです。ベースは一回り大きくして、MB-001 にあった、3点支持用ねじの横への張り出しをなくしました。



MB-003

MB-001 の構成部品数を減らした廉価版です。指し棒は MB-001 と互換で、先端が曲がり針の廉価版と、ボール&ソケットジョイントつきのフルセット版があります。
写真はフルセット版です。


MB-004

通称「目安坊」 Meyasu Boy。ベースを小さく、指し棒を短くしたベビー版の目安棒です。指し棒は差し替えできますが、径が小さいので他のMBシリーズとの互換性はありません。また、バランスが悪くなるため、ボール&ソケットつきの指し棒もありません。
小なりとはいえ、下面の1/4インチネジ穴も切ってあります。


MB-005

1/4インチねじを介して、上部ベースと下部ベースが分離できます。上部を分離すると、MB-004 風の省スペース型目安棒になります。指し棒は やはり MB-001 と互換で、先端が曲がり針の廉価版と、ボール&ソケットジョイントつきのフルセット版があります。
写真はフルセット版です。


MB-006

極小関節を目安棒に応用しました。極小でも先端ニードル(タングステン線)は交換できます。
先端ボール&シャフトは、45度傾けています。道具箱への収納時、先端関節は完全に折り込むことができます。
基部のシャフトは着脱可能で、別のシャフトや関節をつければ簡易リグに変身します。さらに簡易リグを下面の1/4インチネジ穴を介してエレベーター三脚にとりつければ、微動リグにもなります。


MB-009


基部ジョイントのボール&シャフトの方向を逆にしました。アンテナを傾ける方向は制限されますが、その方向には常にベースの3本ねじの1本がくることになり、目安棒が転びにくくなります。
先端は極小関節。基部シャフト、先端ニードルともに着脱可能です。某教育機関用に、予備もふくめ6台を同時制作しました。